大きな会社にいると自分の力で大きな仕事をしているような気になってしまう人がたくさんいる。周りもちやほやするので、自分を冷静に見積もることができず、ずるずると年数ばかりが経ってしまうのである。そういう人の典型は、名もない小さな会社の人間に向かうと急にぞんざいになることである。最初の顔合わせのときからヨコを向いて返事をしないとか、それは露骨である。こういう人間は会うだけムダだ。また、大きな組織に10年も15年もいると、よほど本人が注意をして生きてこないと「自己責任原則」を持てなくなってしまう。
(参考)
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たとえば、大企業では多少ミスを犯しても本人に響かないシステムになっている。それに大きな組織の中には一種のマニュアルみたいなものが完璧にでき上がっており、社員はそれに沿って仕事を進めるから、ミスの確率が少ない。さらに個人で全責任を負わねばならないような仕事は滅多にないし、あるいは個人が単独で新事業を提案したとしても、通常は衆議に回され複数の関係者の了承を得ることになるから、その意味でも個人の責任の度合いは低くなる。提案者が上司など別の人間にすり替わることすらある。最終的には上の役職者が責任者になるのが普通である。新事業を立ち上げるほどの実力があっても個人プレイは不可能で、段階ごとのチェックも頻繁だから、極端に言えば、大企業は「自己責任原則がまったく不要の社会」といえるのである。そうした組織に長くいると、黙って言われた通りにやっていれば仕事も楽で、クビにもならない。たとえ上司が嫌な奴でも、たとえ社畜呼ばわりされたとしても、大きな責任を負うこともなく一生食べていけるのなら、個人にとってこんなに安定したラッキーな人生はない。